いつも何気なく行っている歯のブラッシングの際に以下のような事に気付かれた方…いませんか。
最近、歯茎に大きな腫瘍みたいなものがある…。
歯肉炎にしては大き目のコブのようなもの歯茎にある気がする。
もしかしたら、その腫瘍のような歯肉の正体は「エプーリス」かもしれません。
エプーリスといわれても、なんだか聞きなれない病気ですね。
エプーリスとは歯茎の上にできるコブ状のできもののことですが、放置しておくと歯が傾いてしまったり、歯を抜かなくてはならない可能性もあります。
20~30代の女性に多発し、妊婦さんにみられる場合も多いです。そのため、妊娠性エプーリスという名のエプーリスもあります。
そんなエプーリスに関して以下のような疑問を抱かれる方も居るでしょう。
もし、妊娠中にエプーリスができたらどうすればいい?
エプーリスの治療方法は?
エプーリスができてしまい、不安な気持ちになると思いますが、しっかりとした治療法を理解しておけば不安な気持ちも解消できます。
当ページでは、エプーリスができた時の対処と治療について詳しくまとめております。
歯茎に気になるコブ、大きな歯肉、腫瘍のようなものがある…という方はぜひ、参考にしてください。
エプーリスとは
エプーリスは歯茎にコブ状のできものができる症状です。
形は丸形や卵型で、根元がくびれているのが特徴です。
大きさは通常、小豆大くらいら小指ぐらいの大きさになりますが、まれに親指くらいの大きさくらいまで膨らむケースもあり、食事をするのも大変になります。
エプーリスのできやすい場所としては、上の歯茎で、歯と歯の間の歯肉にできやすくなります。
さらに、歯の内側よりも外側にできやすいという性質があります。
痛みはほとんどありませんが、歯槽骨がエプーリスに吸収されると歯が傾いてしまったり、歯と歯の間が広がったりするため注意が必要です。
エプーリスの原因
エプーリスの主な原因は、合っていない詰め物やかぶせ物をしていたり、歯石が慢性的にたまっていたりして炎症を起こすことで刺激されるからだといわれています。
プラークや歯肉炎などの慢性炎症性による刺激や歯の詰め物が合わないなどの器械的刺激、女性ホルモンなどの内分泌異常などが誘因となっていることは確かです。
歯と歯の間にできることが多く、大きくなると歯が圧迫される感じになります。
触ると痛かったり、食べ物がぶつかると破れて出血することもあります。
肉芽腫性では、赤味があり柔らかで出血しやすい傾向が強く、繊維成分を多く含む場合には、白っぽく、固くなることが多くなります。
腫瘍ではないかと心配になりますが、癌のような転移はありません。
また膿を持っているものではありません。
膿があれば歯周病などが疑われ、口臭もひどくなりますが、エプーリスでは口臭がひどくなるということはありません。
そして、男性よりも女性に多く発症するというのも特徴です。
特に妊娠中の女性はホルモンの影響でエプーリスを発症しやすくなります。
妊娠3か月ころから症状があらわれて大きくなり、出産が終わると、症状が治まって、小さくなることがほとんどです。
女性ホルモンのバランスが崩れると、唾液の分泌量が激減して、口の中が乾燥状態になります。
唾液による殺菌作用も失われ、歯周炎や歯周病菌への免疫力も落ちるため発症しやすくなります。
エプーリスができた時の3つの対処策
もし、エプーリスができてしまったら、ひどくならないためにも、やってはいけないことがいくつかあります。
特に突発的にできた妊娠中のエプーリスの場合は、経過観察だけで自然と治癒する場合のほうが多いため、不要にも関わらず、気になるからという理由だけで、いじることは避けたほうが良いでしょう。
それでは、ここからは、エプーリスができた時に歯科に行く前の段階で実践すべき必要のある3つの対処を、具体的に紹介していきます。
触らない
エプーリスが歯茎の間にできると、どうしても気になって、舌や指で触りたくなりますが、できるだけ触らないようにしましょう。
エプーリスは、ある種の刺激によって大きくなる可能性があります。
潰したりしない
コブが大きくなってくると、固い食べ物などが当たって潰れることがあります。
しかし、そこから細菌が入って化膿してしまう恐れもあるので、つぶしたりしないようにしましょう。
潰れてしまった場合は、消毒や口内炎用の塗り薬を使うようにしましょう。
口内を清潔にする
エプーリスは、歯垢や歯周病菌などによる炎症がきっかけで起こりやすくなります。
歯のブラッシングをこまめにして、デンタルリンスなどを活用するなど口内を清潔にするように心がけましょう。
エプーリスができた時の歯科治療
エプーリスができた時は、歯医者で診察してもらうのが一般的です。
妊娠している時は、医師に伝えておけば、赤ちゃんに影響のない治療方針を提案してくれます。
また、エプーリスの治療自体、急を要する必要は殆ど無いので、安定期に入ってから治療するという方針も考慮してもらうことができます。
それでは、エプーリスができた時の治療を具体的に紹介していきます。
経過観察
妊娠によってホルモンバランスが崩れ、エプーリスができてしまった場合、あまりにも大きくなって、歯に影響を及ぼさない限り、経過観察になります。
その理由としては、分娩後にホルモンバランスが正常になることで、エプーリスが小さくなったり、そのまま消えてしまうケースが多々あるからです。
歯石取り
エプーリスの原因のひとつに歯石があります。歯石がたまってくるということは、細菌が慢性的に繁殖していることです。
口の中の環境悪化によって炎症が起こり、それが原因でエプーリスができます。
歯茎が腫れている時は、スーパーソフトの歯ブラシを使用し、歯と歯茎の境目に上手に当てるようにして歯石やプラークを除去しましょう。
外科的処置(切除)
エプーリスが大きくなって、周りの歯に影響が出る場合には外科的処置を行うことになります。
処置としては、歯肉や歯槽骨の一部を、骨膜とともにすべて外科的に切り取ります。
それでも改善しない場合、根本的な原因除去のために、歯を抜くいわゆる抜歯の場合もあります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
エプーリスという聞きなれない症状ですが、もしかしたら経験したことのある人、今現在悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
当ページではいかのようなエプーリスができたときの対処法をご紹介してきました。
- 触らない
- 潰したりしない
- 口内を清潔にする
さらに、以下のようなエプーリスの治療方法もご紹介してきました。
- 経過観察
- 歯石取り
- 外科的処置(切除)
エプーリスは、歯磨きを徹底して、歯茎のマッサージなどを習慣にすることで、予防することができます。
とくに妊娠中になりやすいので、妊娠がわかったら、今まで以上に歯のお手入れを念入りにするようにしましょう。